第625話 “受け継がない意志”
『スーパーヒーロー☆マーメイド』
■受け継がない意志
サブタイトルの「受け継がない意志」に暗さと悲しさと冷たさを感じました。
意志を途絶えさせる、とはこれまでのワンピースの信念に反する物ですよね。
「差別を本当に無くすためには、差別の事実を次世代に教えないこと」だと
私は考えるのですが、そうすると虐げられた人々に泣き寝入りを強いることになり
本当に難しい問題だと思います。
人々の苦しみを知るオトヒメが身を挺して天竜人を庇う…
そこまでしないと人間と歩み寄れないのでしょうか。
ただ、魚人に関する問題は差別というよりは
“奴隷制度”“人身売買”であって、人間も共通に抱える苦しみだと思うので
はがゆさも感じます。
魚人の求める「光」と「復讐」は、別方向の物で両方を得ることはできません。
「光」を求めるなら「復讐」を捨てなければならないという
オトヒメの信念の正しさが証明される日が来るのでしょうか。
ケイミーやパッパグがシャボンディパークで見せた笑顔が
魚人達の求める答だと思うのですが・・・・。
■ホーディとデッケンの真意
私はてっきりジンベエが七武海になった時点で
ホーディはネプチューン軍をやめたんだと思っていましたが
まだ軍にいました。
ただ、軍にいる目的が以前とは変わったということなんでしょうか。
ホーディが軍をやめて新魚人海賊団を結成する経緯や
オトヒメの暗殺がどう絡んでくるのか、気になります。
そして、今回、スーパーロリコンの汚名を返上したデッケン。
なんと海王類を操る人魚姫をずっと狙っていたらしいです。
「なんだデッケンはロリコンじゃなかったのか」と
少し残念に思った読者も多かろうと思いますが
しかし彼の九世代にも渡るストーキング気質には
むしろ箔が付いたと言えますし、野望のためとは言え
公然と6歳の少女にロックオンする大胆さは私達の期待に
十分応えているでしょう。
■しらほし覚醒
しらほしが海王類を呼び出してしまいました。
最初、覇王色の覇気かと思ったのですが違うようです。
初代デッケンの話が真実なら“海王類を操る人魚姫”ということになります。
数百年前に魚人達は地上を目指して移住を試みたが失敗しました。
失敗した理由はわかりませんが、もしかしてしらほしの能力が
あればうまくいったりして?!とか思ったのですがどうでしょう。
「魚人島滅亡」の予言がいつも頭の隅によぎります。
魚人島を脱出せざるをえない時、海王類の導きで
魚人達は天竜人が来ないような地上へ辿り着けるのではないか…という
希望を抱きました。
とはいっても住み慣れた故郷を失う苦痛とひきかえにしないといけませんが。
ところで人魚は魚と会話できるという能力を持っています。
ケイミーが魚と喋ってるのを見て「魚食い放題」とルフィは言いましたが
その点については、ケイミーがはっちんのたこ焼き屋を手伝ってる時点で
色々とクリアしてると思います。
しらほしが6歳に成長しています。
「しらほし6歳」の注釈が絶妙にフカボシの位置に来ています。誰もフカボシを「しらほし6歳」だと間違いませんが、万一を考えて注釈からしらほし方向への矢印が飛び出していました。この念の入れよう。そこまでして正確さを追求した「しらほし6歳」。
ここから読み取れることは「王子の成長はあまり重要でない」ということと、オトヒメの年齢が不詳ということと、やはりデッケンが結婚を意識したのは「しらほし6歳」なんですよ、という確認のためだと言えます。
最終的にデッケンはフェアリーバース(月)に行って欲しいです。
2011/05/25
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