第518話 “闘技台”
『男としてそれでいいのか、ルフィ』
背中の“これ”は蛇姫達が死んでも見られたくないものだそうです。
不本意なマークということですよね。
姉妹の背中にある、ということは血筋と関係あるかもしれませんが
ルフィが見たことがあるのなら、私達読者も見たことがある物だと思ってます。
まさか蛇姫の背中に「黒足のサンジの手配書の顔」が掘ってある訳でもないでしょうが。
先週までは、ひょっとして白ひげのマークかも?と考えたのですが
さすがにエースの背中のマークならルフィもしっかり覚えてるような気がします。
海賊団のマークだとしたら黒ひげかドフラミンゴかなーと思いました。
トラファルガー・ローの「ハートの海賊団」というのも思い出したりしました。
アマゾン・リリーは平和で穏やかな国だと思っていましたが
蛇姫が登場してからは、何とも言えない居心地の悪さを感じていました。
今週のルフィの強いセリフを見て気付いたのですが
キーワードは「洗脳」だと思います。
アマゾン・リリーでは小さい頃から「皇帝は凄い」「蛇姫様は凄い」と
刷り込まれているから、客観的な判断力が衰えてしまうのだと思いました。
また、「絶世の美女」という評判も海賊や海軍の先入観、ひいては洗脳といえる
暗示を相手にかけやすい土台を作るのだと思いました。
その点、ルフィはありえないほど無垢で
固定観念などとは無縁な、直感と本能で生きる動物です。
女性達の目の前で下半身を露出しながら麦わら帽子を心配する辺りは
私が親なら泣いて心配するのだけれども、まぁ、そこは置いておいて。
洗脳された民衆VS.自然体のルフィという構図が浮き彫りになりました。
洗脳された民衆は驚くべき結束力で
ルフィの冷静なツッコミにひるむどころか
ルフィを敵視することで、更に自分達の正当性を確認します。
こうなると正論は通じません。
蛇姫に反論する者は公衆の面前で抹殺され
「ああ、やっぱり蛇姫様が正しいんだ」と、民衆は納得してしまいます。
そして、それが自分達の本心だと思い込んでいる点で
たちが悪いです。
ニョン婆様が一度アマゾン・リリーを捨てたというのも
こういう問題と関係があるような気もします。
そんな歪んだ常識に支配された国にあっても
正直に己の考えの通りに行動する者も皆無ではありませんでした。
正直にふるまう事で自分の自由を奪われたとして
果たして、その行動は愚かなのでしょうか。
自分なりの考えを捨てて、支配に身を任せることが賢いことなのでしょうか。
その葛藤が残っている護国の戦士達は苦悩し、
洗脳も一つも戦略であると割り切っているであろう
九蛇海賊団は比較的冷静です。
メロメロメロウが効かない事で蛇姫は驚いていますが
雷が無効なゴムに出会ったエネルや
ネガティブホロウが無効なネガティブ男に出会ったペローナのような
“ぶったまげた”表情は出ません。
何者にも弱点があることを蛇姫は知っているのだろうと思います。
蛇姫の場合は背中を晒すことが敗北に等しいですし。
ピンチの場合は“弱々しい自分”の姿を見せることで
更に相手を油断させたり、味方の洗脳を刺激したりするのだろうと
思いました。
「わらわは耐えきれぬ!」と嘆く姿は
近くで見たら、手を差し伸べたくなるような色香が漂っているのだろうと思います。
女優の仕事ってこんな感じなのかな。
そんな蛇姫様マンガ↓
2008/10/14
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