第559話 “天命”

『褒めて伸びる子、道化のバギー』


■目を開けたエース

何か大きな覚悟を決めたエースですが
状況は何も変わってないように見えます。
為す術もなく、仲間が身を犠牲にするのを傍観するしかできません。

インペルダウンの獄中で、ガープに「殺してくれ」と言った
エースは結局の所、現実から逃げたかっただけなんだとわかりました。
今更後に引くはずのない白ひげ大海賊団や弟に向かって
「やめろ」と叫んでいたのは、ただの悪あがきでした。

海賊になった時から自分の命をかけて生きてきたけれど
仲間の命もかかっているという現実を受け入れざるを得なくなった、という極限!

エースの心の中だけの変化ではありますが、
まるで、その心の動きが白ひげに伝わったかのようなタイミングで
戦局に変化が現れます。

■白ひげの戦い方

麦わら海賊団の戦い方はごり押しというか
友情パワーで乗り越えるというか
ピンチに強力な助っ人が現れるとか
結果オーライが多かったように思います。

ところがどっこい現在の世界ランキング1位の海賊団は戦い方も熟練の域です。
敵の戦略を見抜き、第三者を自軍の勢力に導くかけひきもお手の物。

クロコダイルは白ひげに対して奇襲をしかけましたがルフィに阻止され
白ひげの部下に取り押さえられました。
それと比べるとやはりバギーには何か得体の知れない力が宿っているような気がします。
彼の一発屋のような勢い、実力が伴っていないと分かっていても
侮れない何かがあります。

■次の戦術

白ひげは隊形を左右に分けるという作戦に移りました。

海軍側と白ひげ側の作戦について復習します。

まず、地理関係。

海軍本部は正面が湾になっていて正面から来る敵を包囲できるようになっています。(正義の門が開いてなければ、湾に進入することもできません。)

前から来る敵を確実に捕獲するために作られた要塞で、背後にはレッドラインがあり、後ろから攻められることはありません。

但し、レッドラインの海底はコーティングされた船で移動することができます。これを利用した白ひげ達は、敵に動きを察知されることなく、目的地である海軍本部の湾内に到達する事ができました。

処刑台の正面に白ひげの船が4隻(前後左右の守りを固めながら)登場した後は、湾外の白ひげ勢力は湾内へ陣を広げようとしました。

正面突破の布陣と言えると思います。

余談ですが砕氷船というのが登場しました。グランドラインに氷だらけの島があるのでしょうか。それとも“極”へ行ったことがあるのでしょうか。砕氷船でしか進めない場所があるのだとしたら、海賊王はどのようにして、その地に足を踏み入れたのでしょうか。世界はまだまだ広いです!

50隻の軍艦に囲まれた海軍本部を正面突破しようとした白ひげ軍勢ですが、ここに来て、湾外の勢力は左右に分かれ、軍艦を攻撃しはじめました。

センゴクがエースの処刑を早めるという情報を漏らしたのは、白ひげを前方に引きつけるためだったのでしょう。
白ひげはこのまま前に進むことがセンゴクの思惑通りなのだと悟り、思いとどまりました。

大切な人質を簡単に海軍は殺さないだろうと読んだ白ひげは後方への進路を確保したのでしょうか。
どうやら消耗戦になりそうですが、白ひげの次の一手が見ものです。

正義の門を開けた人は、空島でメリー号を修理した人くらい後になって判明するのでしょうか。

■バーソロミューくま

ドフラミンゴの衝撃発言。「バーソロミューくまは死んだよ」

どういう事っチャブル!にっちもさっちもどうにもブルドッグ!

死んだって何?そういう意味?死んだも同然という意味?それとも「芯だよ」の誤植?

「死んだ」発言の前の「革命軍幹部エンポリオ・イワンコフ」というセリフにも
十分驚きを感じたんですよ。
まずそっちから語りますけど、さすが新時代を見据えるドフラミンゴ様は
イワンコフの正体もあっさり見抜いています。
ボン・クレーは「いわれなき罪で捕らえられている奇跡の人」という
情報しか掴んでいなかったのに、七武海の情報力には恐れ入ります。

それでいて、革命軍の幹部を警戒する様子もなく
「くまは死んだよ」という重要機密っぽい事をサラッと教えてくれます。
「くまの消息」という情報と引き替えに、ドフラミンゴはイワさんから
「革命軍のスパイとしてのくま」の情報を引き出すかもしれませんね。

ドフラミンゴの動きも大いに気になりますが
気がついた時にはフェイドアウトしてそうな気がします。

モリアはジンベエに倒され
ハンコックが本格的に寝返り
ミホークは依然として戦況を見計らっていると思うのですが
七武海の中で、海軍の忠実な僕は「パシフィスタ」だけという切ないこの事実。

さて、「くまが死んだ」という件についての復習です。

本物の“くま”はバイブルを持っていることが目印でした。

パシフィスタをどこかに遠ざけ、麦わら海賊団をその場から離散させました。

くまはレイリーに何かを伝えました。

くまの一連の反逆行為について黄猿が追求しないはずはありません。

もしかして、くまは自爆したのではないでしょうか。

そうすることで、レイリーからの信頼を得ることができ、かつ、黄猿からの追求を逃れることができる。シャボンディ諸島での自爆をもって、くまの任務が完遂したのではないかと思いました。

それを感じさせるのが次のセリフです。



永遠の決別を感じさせる「さらばだ」というセリフ。
ルフィの人生を絶つかのように受け取れますが、実は
くま自身の“終わり”を意味していたのかもしれません。

何事も無かったかのように、作戦会議に出席しているくまです。この時点で既にパシフィスタ1号が本物のくまに成り代わっていたのかもしれません。

戦争に臨むくま(パシフィスタ)はバイブルを持っていました。

パシフィスタに改造されたくまがレイリーに託したのは何でしょうか。
世界最高峰の技術を駆使したくまの肉体は情報の塊です。

彼が自分の死をもって何らかの情報をレイリーに伝達したと仮定します。
コーティング職人であるレイリーが海底から海軍本部に近づくことは容易だと考えられます。
シャボンディ諸島から巻き起こるレイリー旋風が期待されます。
インペルダウンの方向からは黒ひげが嵐を巻き起こしそうです。

来週も目が離せません!

■扉絵

ゾロの扉絵!
タイトルの「あいつらどこだ世話がやける」がいきなり泣かせます。
常に上から目線の迷子!クールなのかホットなのか!それでもゾロは
自分の足下よりも、仲間を助けることが気になっているんだからそこは
ハートウォーミングが結論です。

包帯姿のままかと思ってましたが、それなりにちゃんとした服を
身に付けていてホッとしました。(故郷を離れて暮らす息子を思う母親の気持ちで)
ちゃんと食事はしてるのかな。

他のクルーと比べると、トラブルに巻き込まれた様子はないのですが
持って生まれた方向感覚のなせる技によって、足止めを自発的にくらってるようです。

ペローナはここから出ようとしているのでしょうか。
それなりに、シッケアール王国跡地をエンジョイしてるのでしょうか。

来週が待ち遠しいような、扉絵連載が終わってしまうのが寂しいような。



2009/10/05


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