第643話 “ファントム”
第644話 “ゼロに”

『エース登場』


■魚人島が抱えた闇

1週間、感想をお休みしました。



フカボシ王子の重大発言から1週間・・・。

私はこんな感じで過ごしていました。

怨む感情だけが一人歩きしてしまう現象を
現実社会にある問題とオーバーラップさせ
喩えの的確さを痛快に感じる一方で
負の連鎖を断ち切る「歴史も故郷もゼロに」という
打開策に胸が痛みます。

ホーディは空っぽだとフカボシは言いました。

ホーディの強さは迷いの無さ、守るべき物の無さから
来るのだと今週理解出来たのですが、
ホーディという空っぽの容器には
何が詰め込まれていたのでしょうか。

それは魚人島民の全てが内包していた“葛藤”でした。

オトヒメとしらほし以外は人間に対して何らかの不信感を抱いていた訳で、その押し殺した闇の部分が海底に沈み込んでいたのでした。



人間を恨み続けることは魚人島に平和をもたらさないと
結論づけたタイガーでさえも、自分の体内に人間の血が入ることを拒みました。
タイガーの最後の願いを誰が否定できるでしょうか。

人間への恨みが時に彼を支えたかもしれません。
怒りが彼を強くしたかもしれません。

確実に存在する人間への負の感情を
無視し続ける矛盾に、フカボシ王子は直面しました。
フカボシ王子の見た正体とは、ホーディという器に入った
魚人島全体の闇なのだと思います。

■負の歴史

そもそも何故魚人達は人間を嫌うのでしょうか?

奴隷を経験した者なら、人間も等しく奴隷になっている事実を
知っています。奴隷に魚人も人間も違いはありませんでした。

魚人島内に留まっている者達にとっては
大航海時代に人間の海賊に荒らされたことや
天竜人が来た時の記憶もあるでしょう。

200年以上前、魚人が魚類と区別されていた時代のことを
今でも引きずっているようには見えません。
ここ25年位の経験で人間への憎悪が蓄積していったようです。

魚人島の負の歴史をゼロにするとは
いったいいつまで遡ればいいのでしょうか?

魚人島の歴史をまとめた物をまた読み返しました。

デッケンの先祖はひょっとして人間なんじゃないのか?
「魚人島に辿り着いた」という言い方がどうも人間っぽい…
当時の魚人と人間の関係は・・・?と考えながら
更に昔の魚人島歴史も読み返しました。

そこで気になったんですが
ポーネグリフが作られ、世界中に保管されるようになったのは
800年前頃だと思うのですが
その頃に、Dの王国の関係者が海底の「海の森」へ
ポーネグリフを運んでいるということです。

Dの王国が地上にあるという前提で話を進めますが
ポーネグリフを運び込んだことと
海底に光が差していることと
魚人がここに移り住んだことなどが絡んでいるような気がしてきました。


もし海底の光を見つけなければ…
もし海底に魚人島が無ければ…

世界のどこかで人間と魚人の共存が当たり前の集落ができていたかもしれません。

ひょっとして、ポーネグリフを海底に運んだことがきっかけで、そこに魚人島が生まれ、結果的に人間と魚人を分断してしまったことをジョイボーイは謝罪してるんじゃないのかな…?

なんて考えてみたり…。

■火拳のルフィ

ゾロの鎖骨の辺りに剣の影ができていて
どんだけ日差しが強いんだコノヤローと思いました。

さて、ルフィの技が凄いんです。
ギア2に武装という種類が増えて
しかもゴムゴムのレッドホークですって、奥さん。

これ、エースから受け継いだと考えていいんですよね?
どういう理屈かは分かりませんが、とにかく気合いで
兄ちゃんの魂を引き継いだってことですよね?

「エース登場」というサブタイトルは
エースの“意志”が麦わら海賊団に加わるんだと受け止めていて
ルフィの「3D2Y」の文字の代わりにエースの名前が
刻んであるんだろう、上着を脱いだ時に発覚するんだろう、と
考えていたのですが、どうやらエースの炎が麦わら海賊団に
仲間入りしたようです。

ルフィの火拳技を見る度に私達はずっと
エースがここにいることを知るのですね!



さて、ワンピース最強考察の続編的な物が11月11日に出るそうです。
若竹からは魚人島の歴史年表などが掲載されてるらしいです。

よろしくお願いします。

ワンピース最強考察プラス





2011/11/04

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