第617話 “サンゴヶ丘で大事件”

『祭り囃子本格スタート』


■扉絵

コウシロウ来た!ああ、お父様と呼ばせてください!
白い海軍コートを羽織ってるのかと錯覚してしまうような上着以外は
相変わらずの様子と景色で安心です。
くいなに親友の活躍というか悪名というか、とにかく近況を知らせているのですね。

ただ、シモツキ村にはドラゴンと接触した者がいたようだし
一心道場も革命軍に食料を恵んだりとか
私の勝手な妄想ではコウシロウはサングラスに革のつなぎを着て
再登場する予定でした。

そんな私の暴走気味の妄想を裏切る方向の変わらぬコウシロウで良かった。

■ネプチューン

時代劇で「俺のために死ねる奴だけついてこい」とかいう武将に
キュンとなったことがありますが
なんと、ネプチューンは自分の身を挺して部下を守りました。
軍の大将としていかがなものか、という気もするのですが
ネプチューンがよっぽど強いとこういう行動に出るのは自然だと思いました。

アラバスタでもコブラの行動をペルやチャカが不安視するような場面も
ありましたが、周囲の参謀がしっかりしていて
ネプチューンはカリスマ性や人望で国を引っ張るタイプなのでしょうかね。

コブラの「国は人だ」という言葉が思い出されます。
リュウグウ王国とはリュウグウ王国に住む住民のこと。
そこまで考えてのネプチューンの行動だったのかもしれせん。

■交渉決裂

剣と睡眠と約束の男、ロロノア・ゾロ参上!

時には不条理な“約束”に振り回されたり…。とにかくゾロにとって“約束”は譲れない物。

ゴム人間を殴ってたんこぶを残したり、剣士にグサッと言葉を突き刺したりというナミの愛を持った武器が覇気を超える日も近い。

フカボシ王子の言葉、ゾロは忘れてないでしょう。

ゾロは、まだ竜宮城にルフィがいると思ってるんじゃないですかね。
一番強そうなホーディをルフィが倒すという状況にならないために
ゾロはホーディを監視?目的で戦いを挑むフリをしてるのかなー?と思うのですが
どうなんでしょう。

ゾロの「“あいつ”が追ってきたら…誰も逃げられねェだろ…」って
台詞の“あいつ”が誰かハッキリ分からないのですが
デッケンのことですよね?

あとはフカボシ王子達とうまく連携とれればいいのですが…。

■ゾリ祭

もうしばらく出番は無いんじゃないか?と心配になるくらい、今週のゾロは見所満載の四季折々の味の詰め合わせでございました。

総合的には格好いいの一言で済まされますが、智略有り、スピードあり、重量感あり、水中では浮力感あり、と休み休みにして欲しいほどでした。

例えば左の模写ですが、このコマの最大のポイントは何だと思いますか。

ゾロファン歴10年以上の私が出した答えは「指のライン」です。こんなページの隅っこにさえ詰まったゾロの魅力。

厚みを感じさせる胸のラインに対して、指はシャッキリしています。小指が絶妙に外側に出ているのが分かりますか?分からなければ帰って良し。
この手の表情は、ただグイッと力任せに刀を握っているのではなく、洗練された所作とも呼べる余裕が感じさせます。その姿、そのセクシー。

■一刀龍“厄港鳥”(やっこうどり)

一刀流です。

一刀流ですよ、奥さん。

言いたい事は山ほどある。

正直に申し上げると、ゾロの三刀流は心底格好いいと思える
アクションではありません。特にアニメ。
「呪われた聖剣」というアニメではサガというキャラの一刀流の方が
ゾロよりよっぽど美しく、どうしてゾロは三刀流なんだ、と根本的な疑問にもんもんした
あの赤い月…。

だから、私はゾロが一刀流を使うのは純粋に美しい刀の動きを
見られるという期待でとても嬉しいです。
居合い“獅子歌歌”とは違う、本当の殺陣が見たいです!
よろしくお願いします。

次に、現在のゾロが一刀流を使うことに
直近の師匠を忘れるわけにはいきません。忘れられるはずなどない。

ゾロが刀を一本だけ抜く。

ああ、もう、それだけで劇場版。

ところで「やっこうどり」というネーミングは何か意味があるのでしょうか。
私が頑張って考えたところは「ヤッコードリ→やっこおどり→奴踊り」くらいなんですが
この前振りとしての「祭り囃子」だったのでしょうか。
私の勘違いであって欲しいです。

続いて、この厄港鳥の擬音について見て行きます。

「ドヒュン」

これは「ド-ヒュン」と2段階に訳で考えることができます。
最初の「ド」で非常に威力の強いインパクトを表現しています。
水面に衝突した音かもしれません。
次の「ヒュン」で、速さと軽さを表しています。

更に、敵に当たった時の擬音。

「ドシュッ!」

敵を正面で捕らえた重い音の後、素早い切れ味でそのまま
太刀筋に斬撃が進んだ様子が現れています。
こんな音で斬られたくないものですね。

では最後に。

今週、私が最も心がドヒュンとなったゾロの顔を入念にスケッチしました。うまく描けたので、ツイッターのアイコンにしたいくらいです。しないけど。

新世界編のゾロの顔の中で、現時点でのあらゆる方面での賞レース総なめというんでしょうか。こんな場合。うまく言えなくて。

傷の方の目が隠れていることで、開いてる方の目の眉がいつもより余計に上がっているように感じられます。視線の威力はテロリズムなのかチラリズムなのか。韻を踏むのもなかなか難しいけど、多分、バカリズムではない。

どうして、この絵が格好いいのかを考えている内に、一つの要素に気づきました。
それは「斜め」ということです。真っ直ぐ立つより、少し斜めに立った方がお洒落に見えるのと同じ原理です。

例えば、鼻のラインが真っ直ぐよりも少し斜め傾いています。次に下唇のラインも水平とは違い、斜めになっています。
更に、コマ自体が平行線ではなく斜線が使用されています。

しかも、この「斜め」の角度が全て同じ13°であることを、若竹で確認致しました。

これを「トリプル13°の構図」と名付け、迫力のある格好いい構図として今後の漫画界に広く使われることを望みます。



2011/03/18

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